平山とは誰なのか?
ん?あれ? ワタシ??
彼が愛でるものが、ね。ふふふ、と。
木漏れ日や反射する淡い光に微笑んで
実生の楓をそっと持ち帰って。
古い昭和の木造の六畳間で寛いで。
あそこまでシンプルには暮らせないけど。
布団の下にはマットレスを敷きたいけど。
アスファルトを掃く竹箒の音を聴く耳は私も持ってる。
楓の双葉を入れるの、古紙の折り函ではないし
あんなに真面目にルーチンをこなすのも無理だけど。
あの口の重さは、わかるんだわ。
ひとは、言葉のやり取りの間合いに
どのくらいの沈黙を耐えられるんだろうか。
無視する気はないけれど
問いかけに、返す言葉を悩んでいるうちに
普通の人は沈黙に焦れて先に行く。
不躾にかけられた問いが、あまりに軽すぎて
もちろん答えは持っているんだけれど
発語する前に吐息がうすくもれて
沈黙になって結果無視することになる。
まあ、世間話は苦手ってだけだけども。
幸田文の「木」は良いし
パトリシア・ハイスミスの「11の物語」はヤな感じ。
フォークナーの「野生の棕櫚」は気になる。
あ、ルーリードのカセット、売っちゃうんだ。
ガソリン入れられるくらいの値段つくんだね。
まわりの人と関わることで平山も少し変わってゆく…
なんてレビューあったけど。
あんな関りじゃ変わんないよって思う。
世間話じゃひとは変わんない。
映画観て10日ほど経って思いかえしてみて
平山に話しかけてくる登場人物
誰もかれも、みんな地味に煩わしいかも、って思う。
やっぱり木漏れ日や楓の実生が好きだよ。
*
平山役、役所広司じゃなかったら?
などと考える。
高倉健だったら?(不器用ですから?)
柄本明だったら?時生だったら?(ポレポレ東中野?)
阿部寛だったら?(コメディ?)
松田優作だったら?(レオン?)
平山は誰か。
誰でもないんだな。誰でもありえる、誰でもいい。

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