読書する部屋から夏庭の花を眺める。
コロナ禍をきっかけに庭に花木を植えた。
ベランダで育てていたサルスベリとセイヨウニンジンボク。
家の南側にアパートが建ってしまい
外階段を住人が通るので、その目隠しになる場所に植えた。
植えたときは、一階の部屋を私が使うあてなどなかったのだけれど。
一階の掃き出し窓のガラスは型板硝子なので
エアコンを効かせて戸を小さく開けたり閉めたりしながら眺めている。
今日は最高気温37度、38度予想なのだけれど
風に揺れる花枝とひかりに透ける葉と、花を訪れる蝶や花蜂を見ていると
こんな狂気じみた暑さや世の中をつかのま忘れる。
サルスベリ
去年、背が高くなり過ぎたので強剪定したのだけど
一階から眺めるのにちょうど良い高さで咲いてくれている。
花期が長いので、まだ2週間くらいは咲いてくれるだろう。
セイヨウニンジンボク
これは地植えにして本当に正解だったなぁ。
2メートルちょっとの樹高が良い目隠しになるし
咲き終わった花穂を切ってやるとまたあとから花穂が上がってきて
7月の下旬からずっと咲き続けてくれている。
葉枝の広がりは涼やかで風に揺れる姿がほんとうにキレイ。
今年、春先に葉が病気になって茶色く変色して心配したけど
病葉を切って、混みあってる下枝も伐って風通しを良くしてあげたら
花の時期には復活してくれた。
菊のような匂いのするセイヨウニンジンボクの葉を
触れるのが好きだ。
風に踊る夏の花。
ゆらゆら踊る。
風を動画に収めるのは、むずかしい。
*
近所を歩いていると
古い家の建て替えが進んでいるのが目につく。
実がたわわに生るビワの木があったり、枝を大きくはるクスノキがあったり
キンモクセイが大木になっていたり
立派な門冠の松があったり
そこに根付いて何十年にもなるのが見て取れる樹々の健やかさと対照的に
そこに建つ家はオールドファッションで朽ちた気配で。
それらの家に住人の気配が消えて
どのくらいだろう、1年か1年半かなぁと思っていると
ある日突然ブルドーザーが入って更地になる。
庭木が豊かに根付くような家は
いまの建売の建坪からすると少しばかり大きいのだろうな
たいてい分割されて2軒建てるか2階建てのアパートになる。
塀も、門もなければ、当然植栽などもない。
そんなふうに更新されていく街並みに気づくたび
そうか、そうだよなと納得するような小さなため息が漏れる。
もうこの家手放す、引っ越すと思い定めながら
ベランダの鉢植えを庭に下ろして大きくしたり
ギボウシの株分けしたりアジサイやムクゲの挿し枝したり。
なにやってんだかなぁと思うし
なんだか庭の樹々への裏切りを隠してるような気さえして後ろめたい。
まあ、こんな考えたってどうしようもないこと
考えずにいられないのが私の性分なんだけど。
馬鹿みたいだな。













