2024年4月29日月曜日

「クララとお日さま」






クララの美質として語られる

観察と学習への意欲
鋭く物事を見通す目。


病弱な少女ジョジ―の
Artificial Friendとなったクララは
ジョジ―になにが最善かを考え
そのために全力を尽くす。


この物語の語り手はクララで
過多な感情を交えない淡々とした
AFならではの“機械的な”語り口と
ジョジ―や家族への誠実な態度と想いに
「日の名残り」の執事スティーブンスを
重ねて読んだ。


やっぱりカズオ・イシグロの作品には
品格がある。

抑制のきいた語り
心地良い熱量
静謐さ。

読み終わる頃には
何層にも重なった言葉の地層を滴り落ちながら
心が濾過されたような気持になる。




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