K2 天空に触れる
原題:K2 - Touching the Sky
2015年製作/作品時間72分
撮影地:パキスタン
製作国:ポーランド
世界第2位の高さを誇るK2で1986年の夏に13人の登山者が命を落とした。「ブラックサマー」と呼ばれた悲劇からおよそ30年後、その子供たちが、かつて親たちが訪れたK2ベースキャンプを目指した。かつて両親を誘惑し、命を奪ったその魔力を体感することが目的だ。経験豊富な女性アルピニストでもある映画監督のエリザは、登山家であることと親であることの両立が可能かを自問する。生還者の証言は、荒れ狂うK2の恐怖を如実に伝え、残された家族の回想は、犠牲者への深い愛情を感じさせる。息を飲むほどに美しいカラコルム山脈の景色とともに繰り広げられる感動的な風景が、両親の選択や自分の情熱を理解しようとしている人たちの、複雑な心理と対照的だ。
K2 アルピニストの影たち
原題:K2 INVISIBLE FOOTMEN
2015年製作/パキスタン/作品時間54分
このドキュメンタリーは、アルピニストたちを影のように支えてきたポーターたちの功績に光をあてる作品です。カメラはK2のポーターたちに密着し、彼らのありのままの生活を見せながら、ポーターたちがどのような立場に置かれているのかを明らかにしています。あまりに壮大なカラコルム山脈の美しい大自然と、世界一、二といわれるほど登頂が難しいK2の臨場感あふれる過酷な登山映像は見るものを惹きつけます。その上でこの作品は、現代の登山の在り方を考えるための意義深い問題提起となっているのです。製作者は言います。「この作品を1954年のK2世界初登頂に成功した際に両足全てのつま先を凍傷で失ってしまった高高度ポーター アミール メディに捧げる」
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世界第二位の山、K2のドキュメンタリーがふたつあった。
世界第二位の山、K2のドキュメンタリーがふたつあった。
「アルピニストの影たち」が観たいと思ったのだけど、「天空に触れる」を先に観たほうが良いような気がした。
「天空に触れる」に登場する登山家とその家族は、K2に憑りつかれた人たちだ。
ブラックサマーに母親が遭難し、翌年父親も遭難、4歳で孤児となった息子は長じて登山家となり両親の眠るK2にやってくる。K2を目指さずにはいられないDNAの持ち主なのか。
出生前にK2で亡くなった父の足跡を辿る娘は、父を理解したとは言わなかったけれど、5,000メートルを登ってこれる程度には山のひとだ。
「アルピニストの影たち」のパキスタン人ポーターの存在を知った後だったら、憑りつかれた西洋人の話をちゃんと観る気にはならなかった。
K2登頂を目指すというのは最高のエクストリーム・スポーツだと頬を紅潮させて言うアルピニスト、憑りつかれてるとしか言えない。
そしてその憑りつかれた人たちの荷を背負うのは一日5ドルで雇われたポーター。
Wikiによれば「4人程度のアタッカーに必要な装備は、2011年のゲルリンデ・カルテンブルンナーの北稜登攀のケースでは、無酸素であっても総重量2.2トンに達する」と。
私なんかもホント想像力ないなと思うけど、登山隊と聞く時イメージするのは頂上で国旗を掲げるひとりかふたりと、ベースキャンプでバックアップする数人しか思い浮かばなかったけど、だれが2.2トンの荷物を持って標高5,000まで上がるんだよ、という話だよね。
パキスタンのポーターは、エベレストのシェルパほど訓練されていなくて、他に仕事のない男たちが命がけを承知でやっている。氷河を数週間かけて歩く。穴の開いた靴下と薄いズック、あるいは素足にサンダルで。普段着のままで。荷は25㎏で仲介人と契約したのに、実際は35~40㎏を背負わせられる。一日5ドル、でだ。
―――彼らは驚異的な働きをするんだ。自分たちの荷物だけで精いっぱいのはずなのに時には疲労したぼくの荷物まで持ってくれるんだ。
感動の面持ちで語る若い登山家の笑顔になんだか力が抜ける。
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