詩人は言葉を買った
時とは、浜辺で石遊びをする子供
明日の長さは、永遠と一日
ブルーノ・ガンツって、いつでも時空を自在に行き来しているような気がする。
長回しのシーンは集中力と臨場感が生まれるというけど、この映画のロングショットはゆるりとしている。
長回しって映画の醍醐味だよね。
ギリシャって夏のイメージがあって、冬の終わりのモノクロームの景色が意外で。みんな黒っぽい服を着る。追憶の中の詩人の親族だけが白い服を纏って海辺の夏を楽しんでいる。それでも、画面の中は白と黒ばかり。三人の自転車乗りのレインコートの黄色、不法入国の少年のジャンパーの黄色、くたびれて項垂れる青年が担ぐ旗の赤が視覚に残る。あの色の使い方はなんだろう。
テオ・アンゲロプロスもアンドレイ・タルコフスキーも「どんな話?」に答えられない映画。答えようとするとどんどんつまんなくなるし、ただ黙って観てればいい映画。
「理解しようなどと思わないで、ただ観ればいい映画というものがある」とタルコフスキーの「ノスタルジア」を紹介したのは池澤夏樹だったんだけど、この「永遠と一日」に字幕・池澤夏樹とクレジットされてるの見て納得。
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