2023年1月26日木曜日

「優雅な生活が最高の復讐である」





1920年代のフランスに
信じ難いほど素敵な生活を営むアメリカ人夫婦がいた。
ジェラルド・マーフィとサラ
二人はパリからアンティーブへ生活の舞台を移し
近郊に住むアーティストや作家
たとえばピカソ、レジェ、コール・ポーター、ヘミングウェイ
フィッツジェラルドとゼルダ夫妻など
時代を画する才能をもてなし、その創作活動に多大な影響を与えた。
そしてマーフィ自身も画家だった。
活動期間はたった8年間であったが
わずかな、しかし素晴らしい作品がMoMAに遺されている。

本書はこのマーフィ夫妻の生活を見事に掬い上げ、
ノンフィクションの分野に金字塔を立てたカルヴィン・トムキンズのテキストに
70点近くの家族アルバムとジェラルドの絵画を加えた。







「ニューヨーカー」掲載のノンフィクションで、翻訳が青山南というので読む。
さすがに上手い語り口で、さらさらさらと読めてしまう。「ニューヨーカー」誌スタッフライター恐るべし。内容的には、ふーーーーーーーーん、、、という感じなんだけども。

1920年代後半のパリ、ジャズエイジ、グレート・ギャツビーのあの世界の話。
マーフィー夫妻というのはきっと、たぶん、ホンモノで。フィッツジェラルド夫婦やヘミングウェイやピカソみたいな鼻持ちならない破滅したがりな芸術家をきちんともてなせた真に優雅な夫婦なんだけどね。

20年代後半のジャズエイジも、80年代後半の「レス・ザン・ゼロ」も、拗らせ散らしたアメリカ人のうざったさって変わんないなぁという読後感。

そっか、ヘミングウェイがLost Generationで、ブレット・イーストン・エリスがNew Lost Generationなんだから、読後感はあっているんだわね。

しかしなぜ私は、この大っ嫌いなロスジェネ・ピーポーの話に手を出してしまうのか?
ほんとに、なぜ?






2 件のコメント:

  1. ありすです🤭

    なんとなく同感で笑っちゃいました。何故気になるのかな。わしも良く解らずに、なぜかこの人たちの話を見たり聞いたりしちゃいます。

    破滅したがりピーポー(爆)いいわー
    ホント周りにいたら迷惑な人達なのに、やっぱり凄いなーと思うんだよね。

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    1. ありすさんも?(笑)

      彼らの優雅さも豊かさも芸術性も奔放さも、自分のなかには全く見当たらないものだから、なんかちょっとイラっとしながらも気になってるんでしょうねぇ。
      もう100年も前に生きたひとたちだから、歴史上の人物なんだけど、妙に生々しいですよね。

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