引き続き駒沢敏器の本を。
図書館の本だけど、10年越しの積読本でした。
タイトルも表紙もとても良いなぁと思ったんだけど
アメリカのルーツ音楽の話で10年前は読み進められなかった。
・・・・・・・
すぐれた音楽紀行の名著が、電子書籍で新装復刊。
アメリカン・ルーツミュージックは、どのように生まれ、継がれてきたのか。アメリカ文化に造詣の深い著者が現地を訪れ、多くのミュージシャンとの対話から取材した生きている音楽。
ハワイアンミュージックをルーツから聴き込むコラム、アパラチアン・ミュージックの現地レポ、その源流であるアイルランド最果てのパブ取材を経て、ミシシッピデルタのブルースが鳴るジュークジョイントと、ゴスペルが息づく小さな教会へ。
歌うこと演奏することが、生きることと一体化した人々の話を丹念に聞くことで、人間の強さよりも弱さの中に鳴る音こそが、心に届く音楽だということを著者は知ります。
音楽を虚飾から剥ぎ取り、厳しくも優しい視点でアメリカ音楽に向き合ったドキュメント。
・・・Kindle版の紹介文より・・・
フォークミュージックとしてのハワイアン
ケンタッキー州ルイビルのブルーグラス
アパラチア山脈のパブに息づくスコッツ・アイリッシュ
ミシシッピの黒人に特有の音ブルースとゴスペル
ここで語られる音楽もミュージシャンも
私にはまったく馴染みがなくて
だからGoogleとAmazonPrimeを駆使して
駒沢敏器の旅を追った。
ハワイアンの章では、ライ・クーダーが登場して
パリ・テキサスのあのギターの音の印象が強いので
え?となりアルバム「Chicken Skin Music」を聞いてみたり。
アメリカのフォークミュージックの中では
最も白人的と言われるブルーグラスを
むせかえるような青草の匂いの中で聞く情景を羨ましく思ったり。
アパラチアのアイリッシュ音楽が
アイルランドの大飢饉を機にアメリカへの移民が増えて
内陸へ流れた人々が
望郷の想いと共に奏で続けたものだと知ったり。
この章はJoe Jewellの「Bluebells Of Scotland」を聞きながら読んだ。
ゴスペルとブルースは音楽の根っこはおなじものなんだけれど
ゴスペルのミュージシャンには
ブルースは「悪魔の音楽」と断じられているとか
ブルース・ピクニックという笛とドラムで村々をまわる
アフリカ的なマーチングが初めにあったこととか
面白い話が多かった。
*
ハワイやアイルランド、アフリカ。
移民の国アメリカの音楽は、深く広いルーツを持っている。
そしてそれぞれの移民の事情には祖国ごと歴史がある。
19世紀半ばのアイルランド大飢饉のことなど
これを読んで初めて知ったのだけどとんでもない話で
北アメリカから持ち込まれた伝染病で
主食のジャガイモが壊滅して大飢饉となり
餓死者とアメリカ・カナダへ移民で人口の25%以上を失ったのだと。
当時のアイルランドは土地の領主のほとんどが
イングランド人やスコットランド人で飢饉の実状を理解せず
アイルランドからの作物の輸出を制限しようとせず
飢えを加速させたとか。
悪政は人を殺す。
いまさ、アメリカからの生ジャガイモの輸入解禁が
問題になってるじゃない?
生ジャガイモにつくセンチュウが日本の農地に入ったら
国産ジャガイモが壊滅するかも、って。
アイルランドほどではないにしろジャガイモは日本でも消費の多い
炭水化物の供給源でしょ。
主食のコメだって減反させられて農家は経営も成り立たなくて
離農が増えているわけだし。
イラン戦争発端のオイルショックで
国内の流通滞って食糧供給事情が悪化するって懸念だって
なくなったわけじゃない。
アイルランド大飢饉が近代化前の話
地球半周した国の話って笑えないんだけど。
自国の80数年前の愚行だって反省しないような政府が
世界史の出来事から為政者としての責任を学ぶわけもない。
いや学ばない考えないは政治家だけじゃないか。
こんな政府、政党を選んじゃう国民が愚かなんだけどさ。
ああ、なんでルーツミュージックの話読んで
こっちに話が来ちゃうのかなぁー。
でも、ほんと音楽のルーツについて読むだけだって
いろんなこと知るんだよ。
人間の、ひとの生きた時間のことなんだから。
*
いつか、日本人が大挙して国を捨ててどこぞに移民した果てに
何十年経っても奏で続ける音楽って、あるかな?

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