映画「林檎とポラロイド」 ギリシャ/ポーランド/スロベニア
タイトルに惹かれて。
――記憶喪失をもたらす奇病が流行し、一人の男性も病気にかかって突然記憶を失ってしまう。彼は治療のためのプログラム「新しい自分」に参加し、毎日送られてくるカセットテープの指示に従いながらさまざまなミッションをクリアし、その体験をポラロイドカメラで撮影する。
ミッション:自転車に乗る
ミッション:仮装パーティーではっちゃける
カセットテープで送られてくる思い出作りのためのmissionはどれもpossibleで淡々と遂行する姿はなんだかシュールだ。
主人公が名前で呼ばれることはない。
90分の映画の中で名前があるのはふたつだけ。
ひとは記憶によって生かされているんだ、とあらためて思う。
記憶に慰められ苦しみ愛おしむ。
音楽も良かった。
スカボロフェア以外は聴いたことあるな程度だったのだけど、観ている私の記憶、郷愁も搔き立てるようで。帰って調べてみる。この映画の主題に添う3曲。なるほどなぁ。
バックグラウンドに流れる音楽も良い。
伏線もすぐに回収されるし小難しい仕掛けとかまったくないけど主人公の喪失感が静かに伝わってくる。
とても好きな映画でした。
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3月29日 月曜日 午後
80席のスクリーンに観客4人。
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