2022年4月17日日曜日

花を踏んだ思い出

  

 



草地をぼんやり歩いて気づくと足元に紫色の草叢が。

踏みそうになって右足宙ぶらりんのまま周りを見ると、キランソウが花盛り。


この草地の春には花を踏まずには歩けない。

草地で爪先にちいさな花を見つけるたび浮かんでくるフレーズが「花を踏んだ思い出」。

沖縄の佐喜眞美術館で草間彌生の初期のリトグラフを見てから、そのフレーズが心に残ってた。


花を踏んだ思い出…どんな思い出だろう。なにがあって花を踏んだんだろう。労しいような思い出だろうか。確かな意思をもって花を踏んだんだろうか。うっかり踏んだの?それともスキップしながら踏み散らしたの? あれこれ。


ピンクの水玉のハイヒールに踏まれた、花はなんだった?と思って「草間彌生 花を踏んだ思い出」で検索してみる。みつからない。タイトルを少し変えてみてもヒットしない。

佐喜眞美術館の所蔵リストを見る。みつけた。


「靴をはいて野にゆこう」 1979年

「靴をはいて野にゆこう」 1979年

                    

あら、花を、踏んだ、思い出、、、じゃない?? あららら??

「花を踏んだ思い出」このフレーズとどこで入れ替わってたんだろ?作品に添えられてた解説の言葉?そんな解説あったかなぁ?あそこで見た「沖縄戦の図」があまりに心に重くて、彌生ちゃんに助けを求めるみたいに眺めたからなぁ。

あらためてこの絵を見たら、「花を踏んだ思い出」では情緒的過ぎるね。

ピンクのアンクルブーツのシューレースをキュッと結んで、ずんずんずんと野原を行くアッケラカンとした感じに似合わないね。ふふ。


記憶ってどこでどうやって作られるんだろう?思い込み、勘違いで笑える話で良かったけど。



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キランソウ:シソ科キランソウ属

別名「ジゴクノカマノフタ」「イシャゴロシ」 凄い別名をお持ちですね(汗)


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でも、これからも草地を歩く時には「花を踏んだ思い出」って言葉がほわっと浮かんでくると思う。








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