2023年9月2日土曜日

「チェスの話」

 



シュテファン・ツヴァイク
1881年ウィーン生まれ。

第一世界大戦から第二次世界大戦の間の
インフレと政情不安定な時代を生きたユダヤ人作家。
1942年没。






「バビロン・ベルリン」や「襲撃」に続いて、戦争の時代の空気を反映した作品を続けて観たり読んだりしているけど、テーマを持って選んでるわけじゃない。たまたま。


ツヴァイクは名前だけは知ってたけど、“昔の作家”括りで読まずにいた。
いま公開中なのかな「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」という映画。
原作が「チェスの話」と知って、映画タイトル(日本版の、だけど)に違和感あって読んでみた。なにが手に取るきっかけになるかわかんないわね。面白い。自分が、ね。


1942年に書かれた「チェスの話」が、「ナチスに仕掛けた」というようなエンターティメントになりやすい復讐劇的な話だとは思えなかったので。
原作は、ナチスの人道への犯罪行為と、それを生きのびた主人公の精神の闘いと崩壊の話だった。ナチスに仕掛けたりはしていない。ひとりの人間を壊してゆく戦争というものを静かに伝えているだけだ。


一緒に収録されている3篇も良かった。

「目に見えないコレクション」
「書痴メンデル」
「不安」

“読みやすい”とか“良くできた”という言い方って、ちょっと低く観た評価の言葉っぽいけど、そうじゃなくて。ひさしぶりに小説らしい小説を読んだなぁと思った。





ツヴァイクが「チェスの話」を書いた背景は映画「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」の公式が分かりやすい。



     *





1881年生まれー1942年没のツヴァイクの人生は戦争ばかりだと気づいた。

第一次世界大戦:1914ー1918

第二次世界大戦:1939-1945

ふたつの大戦の間もオーストリアには安住できずスイスに住んだり、イギリスに亡命したり、ブラジルに渡ったり。


そして。第一次世界大戦で日本はどうしたんだっけ?と今更のように思う。
第一次世界大戦の連合国に「大日本帝国」名を連ねてるんだもんね。
やばい、ほんとに歴史知らない。…ってことを知る。
……が、wiki「第一次世界大戦下の日本」読んでもイマイチなにしてたんだかわからん💦


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