2023年8月26日土曜日

半七老人とキッチンカー

 



ジュズサンゴ

結実して
赤くなってきた。
すこしすつ季節は動いている。







とはいえまだまだ日中は暑い。
2階の南向きの自室は光が入ると空調が負けそうになる。
太陽は空の高い位置にあって直射ではないのに、硝子戸の外に溢れる光のエネルギーがあまりに強くて遮光カーテンを開けられない。
薄暗い部屋で日暮れを待つ。


     *


本を読むには暗すぎる(明るい光を遮断して点灯するのはなんだか抵抗がある)
ネットに上がっている朗読を聴く。作品で選んで聴き始めるのだけれど、声に馴染めなくてすぐに止める。落ち着いた男声だと耳馴染みが良いのだけれどなかなかいない。


時代物の朗読はいろいろ上がっているのだけど、このひとの朗読が聴き良かった。
「半七捕物帖」を朗読でって、、、隠居生活っぽい~(笑)
だけど舞台が神田~上野界隈で、土地勘があるので聴いていて面白い。
半七捕物帖が、隠居した半七老人に<わたし>が話を聴きに行く(たぶん岡本綺堂が)という体で書かれていて、語っている時点では明治と元号が変わっていて、話は江戸の末期。
事件の謎解きの面白さというよりも、江戸八百八町の市井の人々の暮らしや風俗を話してもらって面白く聴いてる。
途中で寝ちゃったりもするのだけれど、なんとも正しい隠居暮らしではある(笑)


     *


午後6時を回って、半七風に言うと暮れ六つ、ようやく陽射しが和らぐので買い物に出る。
西陽は眩しくて空はまだ青々と明るい。でも案外空気は柔らかで自転車を漕いでゆくと気持が良い。いつもの東京の夏のじめじめした湿度がない。
今年は気温が高すぎて空気中の湿度も蒸発してるんじゃないかしらん。

昨日は駅前の広場にキッチンカーが出ていて、香ばしく焦げる匂いに釣られて焼き鳥を2本買った。茜色に染まる雲を眺めながらベンチで食べた。美味しかった。下戸じゃなきゃビール行くよね。
密ではないけど、三々五々のんびり歩く人たちがいて。
むか~しに行った台湾の宵の町並みを思った。陽が落ちて過ごしやすくなった時間に街に出て屋台やテラスで食べて飲んでおしゃべりして散歩して帰る。夕暮れから宵闇までの時間を楽しむようなそんな暮らしになればいいのにと思う。東京ももう亜熱帯の気候になりつつあるんだから。
と隠居は暢気にボンジリとつくねを食べながら思うのだ。
ああ、買い食い楽しい。下戸はつまんないけど。











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