2022年9月29日木曜日

「マーダーボット・ダイアリー」







 弊機 ―――この一人称、良い。

ビジネスライクな自称のようだけど、人間のように扱われたくない主人公の屈折と「弊機」とへりくだった言い方に滲み出るひと臭さのような。
ほんとよく一人称を「弊機」と訳したよね。凡庸な訳者だったら普通に「自分は」とかになってそうだもん。それだと体温というか肌触りが違ってくる。

原作ではなんと記述されてるんだろう。
「iBot」とか? なにか原作者の造語的なものあるのかな。




主人公が人類ではなくいわばロボットの進化系で、すんなり読み込めるかなぁと思ったけど、むしろ弊機の人嫌いなとことか距離を縮められたくなくてイライラしてるとことかすごい共感できる(笑) 警備ユニットとしてクールにプロフェッショナルにミッションをこなしながら「不愉快です」とか「話したくありません」とか思ってる本音が好き。構成機体ロボットのくせに、なに単なるコミュ障の若者じゃん、普通にいるよねこの感じの子、って思える。弊機は不本意だろうけど、人間味ダダ洩れてますけど?(笑)

ジュブナイルのような、といったら弊機は「不愉快です」ってなるだろうな。未成熟な段階の人間に比べたら、弊機の知力体力レベルは1万倍くらいあるだろうからね。連続ドラマに耽溺して感情を学習しつつ、それを持て余す弊機の拗らせた少年のようなキャラクターはかなり好き。

だけどシステムに侵入してコード書き換えて乗っ取って支配するようなことがやすやすとできてしまうんだし、ほんとに暴走したら最強じゃない? 「顧客を守るようプログラムされています」と言ったってそれすら書き換えられるでしょう、やろうと思えば。実際、統制モジュールを書き換えて自由になってるわけだし。
仕事の中で人も殺してるんだけど、それってアシモフのロボット三原則はどこいっちゃったの?もう、そういう世界ではないのね。

弊機の、人間的な感情を覚えて戸惑いながらも「人間にはなりたくありません」というのが良い。そしてそれを人類と並ぶ多様性として受け入れようとしているコミュニティ政体がある。クールで良い。
人工知能もの、サイバーパンクもの、ってアイデンティティ突き詰めていって、フランケンシュタインの悲しみに行きがちだったけど、もうそういう時代は終わったんだなと気持が良かった。

とはいえダークサイドに落ちちゃう弊機Version2とかでてこないとはいえないし、弊機性善説に依ってて大丈夫なのーロボット三原則は大事よーとは思うけども。でもでも、弊機のクールな繊細さが魅力。





アゲハ保育園

 









8月1日


チビクソムシ4匹

数日後、姿がなかったので
鳥に食べられちゃったんだなと。





9月28日


緑色の5齢幼虫が4匹
3~4齢が4匹

いつのまにやらいっぱい育ってた。






9月29日


食べつくされている。
緑のモスラが1匹行方不明。
蛹になるために旅立ったのか
鳥のお腹に納まっちゃったのか。



レモンが足りない。
たぶん全然足りない。

食料が不足すると成長を早めるって聞いたけど
いや、4匹のチビクソムシはむりでしょう。

ベランダの大きなレモンの下に
鉢ごと置いてみたんだけど。
見通し良すぎて明朝には鳥の餌食になるだろうなぁ。


で、一枚目の写真になった。
庭のレモンに徒長した枝があったので鉢の回りを埋める。

今年の実生の葉とは食感違うだろうから
食べるかどうかわからないけど
私ができるのはここまでね。
生き残りたかったら食べて。





蛹化するときには餌場を離れて
かなりの距離を移動するらしいのだけど
どこまで行くんだろう。
保育園を遠く離れて
ここで蛹化するって
どう決めるんだろう。
不思議だ。

緑モスラが旅立つところ見てみたい。




追記


日記UPして覗いたら
さっそく乗り移って食べてた。
さすが大喰らいのモスラだ。
よかったよかった。



あれ?
30分でレモンの葉が丸まってきてる。
いちおう水に挿してはあるんだけど。

新鮮な葉じゃなきゃ食べないかな?
枯れ切った葉はそりゃ美味しくないか。

え?
もしかしてちょこちょこ
レモンの葉摘んで与えることになる?

ん~~。。
そうなのよ。
イキモノの生存に手を出すと
結局そういうことになる。
いや、私はハマらないけどね。






2022年9月19日月曜日

「SOY CUBA」







この2分半のワンショットが凄いとTweetされてきて。



素晴らしい。
カメラの視点が女性の顔から運ばれてゆく亡骸にスイッチして、路上からビルの3階まで登り、葉巻工場の男たちの姿を映しとりながら窓から葬送を俯瞰するまで、亡骸をほぼ画面中央で捉えている。ひとの動きも演技もカメラの動きを避けるような不自然なモメントがひとつもない。

でFULL MOVIEがYoutubeにあったので観てみる。
日本語字幕ないんだけど、全然まったくなんの支障もなかった。

観てればわかる、という映画のお手本みたいな。

スペイン語なんだけどセリフの数は多くない。
なぜかロシア語の同時通訳的副音声がすこしタイミングズレて入ってくるんだけど、映画の世界観とぶつからない。
最初、ロシア人の監督がキューバの映画?と思ったけど、キューバ革命の頃の話とわかって、あ、そっか!と。セリフにエコーのように被ってくるロシア語が時代背景にぴったりって思うのは穿ち過ぎだと思うけど。

で、ほんとに観てればわかるの。
英語の字幕が入るので、西露英3ヵ国語の言語情報あるわけだけど、映像が圧倒的に強い。

そして長回しが多い。とくに前半。ほぼほぼワンシーン、Long One Shot!
音は多くないけれど、歌や生活の音も印象的で。
葬列のシーン、クラブのシーン、果物売りのシーン。
サトウキビを刈る鉈が刻むリズム、収穫を喜ぶリズムと絶望のリズムと。
母親が穀類を突く杵のリズム、音。



 *

1959年、キューバ革命。
1962年、キューバ危機。

1964年制作のこの作品はつまりはソ連のプロパガンダ映画なんだけど、60年近い歳月を芸術性だけが生き残った。

2パートに分かれている後半は、革命への動きを追うエピソードになっていくし、最後はカストロのゲリラ軍が勝利して革命成就し高らかにキューバ国家が歌われて終わるのがTheプロパガンダっぽいけど、もう今更これみて共産主義革命に身を投じようと思うひともいないだろうし。受け入れ先のソ連邦も存在しないしね。

冷戦の時代のプロパガンダを映画芸術として撮りあげた監督の矜持。






SOY CUBA パッケージのVersion。

マリア



ベティ










2022年9月16日金曜日

ラディッシュ+バター+塩

 



食べてみた。

という証拠写真。
コメント欄には写真貼れないので新たに。

結論を言おう。




特におすすめは、しません(爆)




仕事帰りに何軒かマーケットに寄ったので
ミル入りの岩塩を購入。
バターは冷蔵庫にあるよつ葉の発酵バターで。

で、肝心のラディッシュ。
最初の2軒には置いてなくて
時季じゃないのかな?
ダイコンの仲間っぽいから冬が旬?
などと思いつつ。
検索すると3月~11月が出荷時期と。
3軒目でみつけて購入。
なんとな~く味の見当はつくかなぁ~と
思いつつw
まあ、こういうのは
話が盛り上がった勢いでいかないと
そのうち、はないよね。
ってことで。

じゃぁ~ん!実食っ!


バター+塩は美味しいに決まってるじゃん?
でもね?
ラディッシュと味がまったく絡まないんだが?
どうしたもんかね、これはw

バター+塩は口の中でさらりと溶けて旨し!
で、ラディシュが固形のまま残る。
噛む。
辛い。
実質ラディッシュ生食丸かじり状態です。

予想したとおりなんだけどね?w




TikTokの彼女は
めちゃうま~💗
って感じでのけぞってたけど。
フランスのラディッシュはまた別物の野菜なんだろうか?


そういえば。
むか~し、Parisにかぶれて旅行してた頃に
キッチン付きのアパートメントホテルに泊まって
料理してたんだけど
野菜と乳製品がほんとに美味しくて
ああ、フランスは農業国なんだなぁと思った。

そこら辺の庶民的なスーパーで
コンソメキューブとブーケガルニを買って作った
ベーコンとポロネギのスープが
びっくりするくらい美味しくて。
なんだこれは。
私は切って鍋に入れて火にかけただけじゃん?
素材の味が濃いんだね。

また食べたいな~と思って
東京で作って見たけど
ぜんぜん味が違った。
ポロネギの甘み、滋味がなくて。
おまけに高いし。

日本産の深谷ネギとかブランドネギで作ってみたら
もちろん美味しいけども
やっぱりそれは別物で。

やっぱり
ラディッシュも
本場Parisで試すべき?






塩の棚。



2022年9月13日火曜日

塩くらべした話





塊のバターに塩振って食べると美味しい!

…という話が他所で出て、思い出した。FBを使っていたころにポストしたネタ。



     塩くらべ。並べて味見してみたら、違いありありでした。
宮古の雪塩:まあるい優しい味。たぶん万能。野菜にひとつまみふり塩してそのまま味わっても良さそう。おにぎりにも良いかも。
屋我地島の塩:宮古よりも海のニガリを感じる。鍋や汁物と相性が良さそう。水にあう塩かも。
ヒマラヤ紅塩:がつんと塩。きっと火にあう塩。肉汁に溶けて焦げて旨みが増しそう。
あっち舐め、こっち舐めして今日はちょっと塩分摂りすぎましたけど。 
薬指に地球をすくっていただいてる気がしてきた(笑)




お土産でもらったいろんな塩があったので味比べ?利き塩?してみた。

普段、塩を塩だけで味わうってあんまりないから気に留めてなかったけど、舐め比べてみるとあきらかに味わいが違った。
この後、知り合いがお薦めしてくれた「粟国の塩」も買ってみたことある。美味しかったと思うのだけど、伊勢丹クイーンズかどこかで見かけてカゴに入れてレジ通った後で値段見て高くてびっくりした記憶が。
普段使ってる赤穂の天塩なんて1㎏400円台なのに、500gで1500~1600円する。
利き塩すれば美味しいと思って味わうけど、毎日の家庭料理で使ってもね。鰹節を削るとこから丁寧にお出汁とりますくらいのシュフでもないとね。もったいなくてキュウリの板摺になんて使えないよね(笑)

 

FBでもらったコメントで登場した塩。

「ハワイの岩塩」が出汁が入ってるかと思うくらいの旨味あった、と。ハワイの普通のスーパーで売ってるものらしい。

「オーストラリア湖水塩」を使ってるというひとも。311の後で、海水塩、とくに日本のものは怖くて使いたくないということだった。


たかが塩、されど塩。
なかなか味わい深い奥が深い。
アコメヤなんかに行くと、ひと棚全部塩で、ものすごい種類あるんだなとびっくりする。
もう、眺めるだけで買って帰りはしないけど。


バケットに良いバターを固形のままのせて、塩振って食べたら、美味しく味の違いを堪能できそうだな。岩塩系が合いそう。
フルーツにのせるて食べてますという方も。どんなフルーツがあうのかな。
リンゴ、洋ナシ、イチジクあたり?



塩ってなに?「塩の情報室」


2022年9月12日月曜日

袋実木欒子の花は咲いたかな。

 




そわそわ。

小石川へ行きたい。









昨年は九月の下旬、まだ彼岸花も咲いていたころ。
今年はどうだろう。
小石川の彼岸花は開花したらしい。

金色の雨の降るのを見られるだろうか。

花はタイミングが難しい。
タイワンニンジンボクの花も見られなかったし。






フクロミモクゲンジの実生。







ハキリバチに葉を切り抜かれてる。。






2022年9月5日月曜日

白山のイチジク、小石川の坂。





 

 秋だよ、秋。

見よ、このイチジクに詰まった秋を。






8月の終わり、ひさしぶりに小石川へ。

お天気が微妙だったけれど、曇って気温が30度切ってて。まだ晴天の日はさすがに雑木林でも暑くて辛いだろうし、この日を逃すとお彼岸過ぎまで行ける日が見つけられないかもと思い、アメダスで雨雲の動き見ながらでかけた。
雑木林に入ってひと息ついて汗が引いてしまうと、のんびり過ごすのにちょうどよい気温湿度で。ときどき薄い雲がミストをひと吹きしてゆくのが気持ちよかった。よくモールで見かけるドライミストの天然Version。


 *


最近は白山駅を使っているのだけれど、途中に美味しいパン屋があって、そこでランチを買ってゆくのが楽しみで。
ショーケースの中で輝いていたイチジクのデニッシュ。デニッシュ生地に詰まったカスタードクリームも良い味。


 *


白山側から植物園に向かうと、蓮華寺坂という坂を登るのだけどこれがけっこうな勾配で。
登り切ったところに植物園の裏門があって、ここで「開門ー!」と呼ばわりたくなる。
だってさ、ここから正門までだらだら坂下って、入園してから雑木林へ行くのにまた同じだけ坂上がるんだもん。

文京区のこの辺りは実はとてもアップダウンのある地形なんだね。
「坂」とつく名前の道、多い。そしてほんとに坂だ。
千駄木から小石川、白山、茗荷谷、音羽。東西移動するのに地味に登ったり下ったり。
それと幹線道路はずれると丁字路や袋小路、コの字の路地なんかが多くて迷路のよう。


豊洲行く前に小石川に寄った7月。
豊洲へのアクセスが良い有楽町線に乗ろうと植物園出たところでタクシー拾った。
直線距離で2キロもないし、都内はタクシー安いからと思ったのが大間違いだった。
7、800円で済むでしょうなんて考えてたら2千円近くかかってしまった。
春日通りから音羽通りへはしゅっと抜ける道がなくて、ぐるぐる迂回する感じでとても遠回りだった。ぼったくられたかと不安になったけど、あとで地図みたらぜんぜん西へ突っ切る道がなかった。目の前に来たタクシー止めてしまったので方向が悪かったのもあったんだけど。

この道の感じ、世田谷界隈と似てるなぁと思ったら、千石、白山、目白台、本駒込、千駄木あたりは震災も戦災も逃れてたらしい。高級マンションや立派な邸宅も多いけど、昭和なモルタル住宅や看板建築なんかもけっこうみかけるのは、だからなのね。

文京区界隈はのんびり徒歩でゆくのがよろしいようです。
もうすこし秋が深まったら迷い込んで歩くのも良いかなぁ。


 *

また白山の山越えをしての帰り道。
白山駅の近くの八百屋でキレイに色づいた和歌山産のイチジクが398円ででていたので、ふたパック買う。この値段で並ぶようになるとイチジクの秋が本番。
スイカが青森にたどり着いて甘みも薄くなってきてそろそろ終わり。

季節がゆっくり移っている。




2022年9月2日金曜日

ひとりを生きる

 




ヤギを飼う女

イヌを飼う女





田舎で暮らす女

森で暮らす女







私の夢見ているもの。

タフな女たち。