2022年7月21日木曜日

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」




 


面白かった~💛楽しんだ!💗



   ここには伝統的なSFのファンが愛するあらゆるものがある。 

                          ジョージ・R・R・マーティン

 




「わぉ」とか言っちゃうしミッションの重さに比して軽いキャラだな、とか
「ここはどこ?私は誰?」状態で目覚めて死体ふたつ発見してパニくらないってタフだな、とか
目覚めた後のフォローアップくらい用意しといてやれよ地球、とか
記憶の回復もなしでひとり宇宙飛行士とかリスク高すぎだろ、とか
急拵えの宇宙船でよく恒星間旅行できたな、とか
一介の理科教諭が実は天才とかアメリカ・エンタメあるあるだな、とか
打ち上げ前日に拉致するように宇宙船に放りこまれるってすごいなおい、とか
アストロファージ実用化早すぎ、とか
南極の氷棚割るとか簡単にやっちゃっていいのかおい、とか
え、未知との遭遇ですか「うっそだろう!」とか



ちいさく突っ込みながら、ライランド・グレースの冒険に引き込まれてた。
そもそも斜め読みですっ飛ばしてる物理・数学・化学などなどなどの記述の正誤は突っ込む術がないしね。
勇気凛々のマッチョじゃなく、抑えきれない好奇心を原動力に進んでいく臆病だけどどこか楽天的な30過ぎの少年の諦めない冒険は楽しい。そして唯一無二のバディとの出会い。愛は地球を救う?!(笑)





世の中もう禄でもない話ばかりで。
続けて読んでた本もシリアスなものが多くて。
ちょっと気分を変えたいなーと思って。
ミステリかなぁ、SFかなぁ、あ、そうだこういう時ははにゃ。さんのお薦めだよね。
というわけで大当たり!



  *



ライランド・グレースが惑星を救うために悪戦苦闘するメインストーリーはもちろん面白かったけど、ストラットが語った人類の歴史のことが心に残ったな。

産業革命が起こるまでの5万年間、人類は、食料を手に入れるためだけに生きてきた、ということ。

食料。生きるためには食べなきゃいけない。そして地球の危機に、人類の半分が迎えるその死がどれほど過酷で悲惨なものになるか。35億人が眠るように蠟燭の火が消えるようにいなくなるわけじゃない。怖いよね。
物語の世界からリアル世界に戻って考えてしまう。私は人類の叡智なんて信じられない。
リアルな人類はヘイル・メアリーを飛ばすというプロジェクトさえ立ち上げられそうもないし。

エリディアンの世界の知性的なありようが羨ましいなと思う。
フィクションだけどさ。そんな世界が、知性が銀河のどこかにあるといいな。








4 件のコメント:

  1. わーい!楽しめたんだねー。良かった!
    控えめに言ってもこの作品は最の高なのでw
    ほんとにちょっと気分転換したい時とかにぜひ読んで欲しい作品だわぁ。

    もちろん地球が(そして宇宙が)大変な状況になる話なんだけど、今思い出してもほんわりと温かい気持ちになる話だよなぁ。「火星の人」の思い出を裏切らないわぁ。

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    1. はにゃ。さんが日記で書いてた「ぼくの魔法」効いてるね♪ グレースの一人称はオレとか私じゃないよね。
      これは我々大好物の、少年の(心を持ったぼく)の冒険物語だもんね。つぎの気分転換には「火星の人」行きまーす。

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  2. でもさ、現実としては、今や宇宙より軍事産業にお金が費やされる世界だもんね。地球温暖化も含めこれから先の世界環境を考えると、うーむと眉間にシワが寄るので、私はこういう話を読んだ時には考えない!笑

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    1. こういう物語を楽しみつつも、ビートルズが無事帰還するまでに何年かかってるんだろ、その間にも地球が、人類が無傷であるはずないよね、と考えずにはいられない人間なので、そっちの物語も気になって「さてその頃地球では」の裏スピンオフも読みたいなぁと思ってしまうのでした。
      結構、終末ものも嫌いじゃない(笑)
      なんて笑ってられないリアルがすぐそこにあるけど。

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