パティ・スミスの音楽はほぼ知らない。
パンクな音楽は私の耳には届いてこなかったし。
パティ・スミスは雑誌のインタビュー記事なんかで見かけると
そのマスキュリンな姿に惹かれて読んでいて
だから断片的にしか知らないのだけれど
思慮深くて洗練された(知的に)ひとだなぁと思ってた。
歌をちゃんと聞いていない私には
パティ・スミスは言葉のひとなんだよね。
2016年のノーベル賞授賞式での様子も好きで。
ボブ・ディランの代わりに彼の曲を歌ったんだけど
途中で喉の奥が詰まったようになって声が出なくなってしまう。
演奏をとめてI apologize…と
謝罪する表情が誠実で優雅でとても良かった。
完璧に歌い終えるよりも、彼女の振る舞いが記憶に残ったし
この日のパフォーマンスはとても美しかったと思う。
王や王妃を目の前に
“come on! you can do it!”
って内心で叫んでたわ、ってのちのインタビューで言って笑ってた。
おかげで、ボブ・ディランのこの詞もちゃんと読んだ。
*
4月の終わりに
SNSにパティ・スミスが来日してる様子が流れてきて。
「コレスポンデンス」のパフォーマンスがオペラシティであると知って
観たいなぁと思ったんだけど、とっくにソールドアウトしてて。
ほんとこういう情報取るの遅すぎる私。
5月、エキシビジョンのほうを観に現美へ出かけた。
空いてたので真ん中のベンチに座って四方の壁に投影される映像を
自由に眺められて良かったけれど
2時間あるので、ちょっと集中切れたかな。
背もたれのあるソファ、欲しいです。
延々と続く殺戮と破壊の映像に倦んできたところで
パティ・スミスの声が静かに流れてきて耳傾ける。
世界で起きた大規模火災の年と場所
動物の、絶滅が確認された年と種名
死や死に至らせるものを物量で見せる聞かせるのは
よくある手法だけど、でも説得力はある。
なすすべもない感覚がして。
詩は意味が取れないので音として聞くしかないけど
こういう羅列は、聴いててわかるし。
元気は出ないけど。
パティの歌はまだあまりピンと来ないのだけど
リーディングの声は好きかなぁと思う。
いまはこれを読んでいる。
私もパティの声好きです。歌は聞かないんだが……
返信削除あ、ありすさんも?(笑)
削除なぜだか、歌は聞きそびれてしまってます。
いまの、白いロングヘアがカッコいいですよね。
彼女のドキュメンタリ「パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ」観たいなぁと思ってます。