2024年1月28日日曜日

Thanks!






お別れ会なんて行かない。
泣いてる人たちに混ざりたくなんかない。

そう思ってたんだけど。


「チバユウスケへ 献花の会 Thanks!」
のお知らせが来て
チケット購入申し込んでた。
外れてもいい、外れたらいいと思いながら。

だけど、チバのライヴ
申し込んだ分は外れたことなくて。
今回も第一希望でご用意されて。

12日に抽選結果がわかってから
19日まで、長かった。

行きたくない行きたくないって
ずぅっと胸焼けするみたいになってた。
ほんとうに行きたくなかった。


だけど
会場がZeppダイバーシティで
たぶん会場にはチバの曲が
流れてるはずだと思ったので
ライヴ会場で爆音で轟くチバの声を
聴きたくてでかけた。

最後だから。







16Candlesの流れるエントランスから
階段を下りてゆく通路には
チバの写真がたくさん並んでた。
こんな時でも
カッコいいなぁ…ってつぶやいてしまう。





ガーベラを手渡されて
ホールに入ると
ミッシェル時代の若い声で

自転車にうまく乗れない
自転車にうまく乗れない

って歌ってて、クスッとなる。


人が流れて開けた視界にはいったのは
ライヴのステージセットのままの
チバのマイク。

想像してたけど。

ルードで見た日の
ひんやりと哀しい感覚が
増幅して甦った。






前を歩く男の人の
ライダースを着てごついリングをした手に
ガーベラの花は良く似合うなって思った。

ガーベラは
チバがよく写真に撮ってインスタに上げてたっけ。



Stupidを聴きながら
ピンクのガーベラをチバに捧げる。

ありがとうとも
さよならとも
思わなかった。

何から何までカッコいいな
チバユウスケは
って思いながら
ガーベラを見てた。

シャロンを歌い出したので
立ち止まって最後まで聞いた。



拍手がわいたけど
もう
アンコールはないんだよ。


 

2024年1月26日金曜日

Colors

 




ベランダがあまりに寒々しいので
花苗を買ってみた。
ベランダがいきなり明るくなった。


ガーベラを探したのだけどなかったので
同じキク科の花を。



キク科 Asteraceae
キク亜科 Asteroideae
キンセンカ連 Calenduleae
オステオスペルマム属 Osteospermum


チョコレートみたいな深い赤色の
オステオスペルマム。
マムだからキク科ね。
最近、菊花様の
放射状に細い花びらの並ぶ
まあるい花が好き。



縁にブラウンが滲む
黄色いオステオスペルマム。



キク科 Asteraceae
キク亜科 Asteroideae
キンセンカ属 Calendula


金盞花、漢字難しい。
キンセンカ。
オレンジと黄色を連れ帰る。
マリーゴールドっていう呼び名が馴染みあるかな?



キク科 Asteraceae
キク亜科 Asteroideae
アフリカキンセンカ属 Dimorphotheca


ディモルホセカ、明るい元気な黄色。




キク科の?
ガーベラみたいな?
マリーゴールドみたいな?
キンセンカ?

品種名、覚えられる気がしない。



「最も進化し、最も分化している植物とされている」
へえ~。



2024年1月24日水曜日

「n番部屋を燃やし尽くせ」





ここ何年か、韓国で出版された本をぽつぽつ読んでいる。

小説も良い。
読みかけの短編「もう死んでいる十二人の女たちと」も。

ノンフィクションも。

なんというのか、描きたいことを行間に曖昧に滲ませないところ、好きだ。
翻訳読んでるのでなんとも言えないんだけど、韓国語の文章、会話の率直なところ小気味が良い。



作者はみんな女性なんだよね。
特に女性作家で選んでるんじゃないんだけど(作家名では性別わからないし、プロフを見ても参考にするほどそもそも韓国作家そのものを知らないから)

韓国の本で話題になったのが「82年生まれ キム・ジヨン」だから、韓国フェミニズムの流れが続いているのかもしれない。「n番部屋」のふたりの女子大生の自己紹介的な章を読むと韓国の女性たちが置かれている状況にどんなに苛立ってるか、自分たちを押し込めている半透明の壁を壊そうと叩き続けている姿が見えてくる。イ・ランのエッセイなんか読んでても、韓国で女であることの息苦しさに毎日涙している。

   *

デジタル性犯罪を追いつめるこの本を読んでる途中で、日本で40~50代の男たち5人(6人?)が2歳にもならない女児をレイプした事件がニュースになって、ちょっと吐きそうになったけど(事件を文字にするだけで毛が逆立つよ)、こういう犯罪どれほどあるんだろう。。


   *


本の感想書いておくつもりが、フェミニズムとかミソジニーとか差別とか、、書き進めるにはなんか今ちょっと手に負えない感じになってきて、どうしよう、困っている。

とりあえず、これ↓で終わろう。
ネットで見かける「フェミ」って略すの嫌いです。書かれているのを見るとイラッとする。




2024年1月21日日曜日

12月5日の午後のこと

 





午後1時、新宿西口のカフェにいた。

スマホをひらいた。
公式からお知らせが届いていた。

“大切なご報告“

それだけでわかったよ。
ああ、きたかぁ…と思う。
鳩尾のあたりが冷えていく感覚はあったけど
取り乱したりはしなかったよ。
オトナだからさ。

もちろん望んだ知らせではなかったけれど
拒絶する気持ちより正直
“やっと”
というような感覚だったな。
語弊はあるけど。

秋の終わるころから
ひっそりとした予感はあったから。



重い気持ちになったのは
亡くなったのが11月26日と知った時。

もう10日も
チバのいない世界で生きてたのかと
なにか裏切られたような
騙されたような
そんな感情が生まれた。

誰に騙されたわけでもないのだけど。
公式の発表としては順当なものだ。





そうか、もう君はいないのか

作家Sのエッセイのタイトルみたいな感慨が
ぽっかりと浮かんだ。

そうか、もうチバユウスケはいないんだ。




その場で、SNSの、チバでつながっている
アカウントをすべてミュートした。


タイムラインを悲しい言葉で埋めたくなかった。
みんな同じ想いだろう、でも違う。

私の気持を
他人の言葉で読みたくなかった。



私のタイムラインに残ったのは
戦争とジェノサイドと
腐った政府とクズどもが笑うニッポン
そして終わらないCovid19。


チバユウスケのいない世界は
リアルくそったれの世界だったよ。




だけどミュートしたのは正解だった。
何日かしてちょっと覗きに行ったら
悲しいと悲しいが傷つけあっていて
なんだか哀しいことになっていたから。




カフェでコーヒーカップがカタカタ鳴って
わぁ、私、手が震えてる?
マジか?とちょっと驚いた。

掌をぎゅぅ…っと握って息止めて
開いて深呼吸。

いや、べつに、そんな動揺してないし
いや、やっぱりショック受けてるか
当たり前よね
なんて考えながら家に向かう電車に乗る。

電車が走りだしたところで
コインロッカーに預けたキャリーを忘れたことに気づく。
はああああぁ、、動揺してんじゃんか。

笑いながらちょっと泣く。





2024年1月10日水曜日

甘露。

 




透明な人。




なんなら
父が亡くなった時よりも
ぐすぐすしている。


どっちの悲しみが
大きいとか小さいとか
そういうことではなくて。
言うまでもないけど。

この人の場合は
ただただ悲しみに耽溺すればよい
という
そういう相手だから。

たぶん
悲嘆の甘露をなめつくそうとしてるんだろう。

だから正確に言うと
泣いてるのではなくて
涙してる、だけ。

涙する自分に快感を感じている。
自覚している。

大好きなロックスターが死んじゃった
って言って涙にくれる体験を
こんな歳になってできるって

悪くない。