2022年11月29日火曜日

サルスベリの骨







駅へ向かう途中の
大きなサルスベリの樹が
幹の途中から伐られていた。


なぜ?
なぜって、問うまでもない。

今年も大きく枝を広げて
たくさんの花を
ほんとうにたくさんの花を
咲かせていたのに。

でもその頃には
サルスベリの木の生えているところの
クリーニング店が閉店していて
なんとなく
なんとなく不安な気持がしていたんだ。
職住兼用の個人店だったから。
店を閉めたら
土地仕舞いするしかない。

なぜって問うまでもない。

だけど
気持が沈んだ。

お気に入りの雑木林を歩いていても
サルスベリのことばかり
考えてしまった。

他人の家の
たかが一本の樹が伐られたくらいで
なぜ。

それもまた問うまでもない。



夕暮れた帰り道に見たサルスベリの
残された幹は
見せしめに放置された骨のようだった。
サルスベリ特有のねじれた白い木肌が
無残だった。

いっそ
家屋が取り壊されて根こそぎにされて
更地になるまで
気がつかなければよかった。






2022年11月22日火曜日

「張り込み日記」 渡辺雄吉











































 

カリンの蜂蜜漬け





カリンの蜂蜜漬けを仕込む。
2週間ほどでカリンと種を取りだすこと。

漬けて小一時間で
蜂蜜がさらさらになっている。

ふたつのビンで
蜂蜜の銘柄がちがうので
できあがりのテイスティングも楽しみ。









カリンは8日に行った小石川で。

受付の前に「ご自由にどうぞ」と
収穫のお裾分けがあり
頂いてきた。


雑木林の一画にあるカリン林の足もとには
熟した実がごろごろ落ちて
カリンの甘い匂いが
枯れ葉と落葉前の青葉と混じりあい
晩秋の空気が美味しかった。





2022年11月20日日曜日

言の葉の庭/天気の子

 




AmazonPrimeで見かけて
「言の葉の庭」を観たのは2年くらい前。
緑濃い庭の絵に目が行って
それが新宿御苑だというのを知って。


雨の日の御苑は美しい。
雨が生み出す水輪の重なりは
池を眺めて見飽きないし
なんなら
新宿の水溜りを叩く水輪でさえも。

雑多なビル群や新宿駅の風景も
ネオンも線路わきの路地も
雨にけぶらせてしまえばキレイだ。

アニメはそれを描きこんでいた。
キレイな新宿界隈。
都市の中のキレイな庭。

新海誠の空や、雨、水へのこだわりってなんだろうか。
答えはいらないけど。


物語は、まあ、46分で助かったよと思うw






「天気の子」もアマプラで。
新海監督の新作がSNSで話題になってて
なんとなく。

新宿から代々木、池袋や田端(かな?)の街のリアルな風景。
歩いたことない場所でも
東京生まれだとなんとなく実感できる街の気配。

あ、なるほどファンは聖地巡礼したくなるかもね。

映像の空も雨も街もキレイだけど
雨の日の生きた匂いは感じられない。
アニメの中では空から蒸留水が降ってくるのかも。




ボーイミーツガールの物語は
もうどうでもいいかなって思うけど。

「天気の子」に賛否両論というのを
どこかで読んだ。

なぜ世界を救わなかったんだ、とか。
あれでは感動できない、とか。

世界を救うか、恋人を救うか。
究極の二択。


いや、そんなの究極じゃないし。
好きな人救うにきまってるでしょ?
だいたいみんな一度は思ったことあるでしょ。
世界ととひきかえにしても
この、目の前の人と一緒にいたい、って。

え?ない?
あら、お気の毒(笑)

いいのよひきかえにしちゃって。
世界が滅びようと
好きな人が大事よ。
それが恋ってものでしょ。
愚かよね。


そんでもって、世界はそんなもんで
滅びるほどナイーブじゃないから。

流行歌で何千回歌われて
世界は女の子ひとりとひきかえにされてきたけど
何千億人が天秤にかけてきたけど
一回も滅んでないし。

あ、もしかしたら
もうすでに何度も滅んでるのかも。
知らんけど。




だけどアニメ観るといつも思うけど
アニメ界隈のひとの描く女の子、女性って
なんでこうも似てリアリティがないんだろ。

やっぱり、妄想の産物だなぁと思う。
リアルにわかっちゃう女の子をアニメで観たいかというと
なんとも言えないけど。
観たい?どだろ?

そういえばアニメに女性監督って
聞いたことないけど
いるのかな?

ま、どうでもいっか。




Nick Cave

 





どこから辿り着いたのか覚えてないけど、先の冬に Nick Cave を聞きかじっていて。
耳から体の奥にまで潜り込んでくるような曲に捕まりかけて。
でも、歌声の、声というより英語の発声?もったりと耳に残る重い発語感がちょっとNo Thank youで。こういうくどい感じはトム・ウェイツひとりいるからいっかぁ、って。
でも気になって花風にメモして。



夏にチバが出した本の中でNick Caveの「The Firstborn Is Dead」が取り上げられてる。このジャケットの写真、良い。声同様、顔もくどいけどw


来日公演のチケットが取れなくて悔しくて、当日、川崎チッタまで行って入場者の列を睨んでたって(笑) ミッシェルで大忙しになる前の話?だろうけど、そんな好きだったのか。

と、そういうご縁もあり、こっちにも引き続きブックマーク。





 


2022年11月14日月曜日

隠れ家

 




10月末に四国に移住した友人と会った。

初日は東京で一泊するというので私もホテルをとった。
ついでにもう一泊とって二泊。
まあ、いつのも隠れ家hostelなんだけど。
“もっとTokyo”キャンペーンで、もともと安いのがさらに安く泊まれるので。
ドミトリーを使う気にはなれなかったので個室にした。

だけど海外からの旅行者も戻ってきているようで、hostelのダイニングもカフェもそこそこ混んでいた。この3年のあいだ、いろんなプランを売り出していて、良く持ちこたえたとは思うけど、ウイークリーやマンスリープランに日本人が増えたみたいで、共用の冷蔵庫は一杯で、キッチンの使い方が雑でちょっと荒れた感じ。
使ったフライパンと包丁を流しに置いたまま食事してる女の子二人にムカついたけど、今回は個室にしたので、キッチンはちゃちゃっと使って離脱。
包丁を流しに放置するのって最悪イヤだ。

共用部の多いhostelの、あまりヨロシクないとこが結構気になった。

今回は友人と外で会ってる時間が長かったので、まあ良いんだけど、やっぱり滞在して寛ぐこと考えたらhostelじゃないほうが良いな。あの隠れ家にはずいぶん助けられたけど。情況は変わる。





そう、情況は変わる。

憩える場所、居心地のいい関係。
昨日そうだったからって、明日もそうだとは限らない。







2022年11月13日日曜日

秋の果実




柿はかたくても柔らかくても
とろとろでも
外すことなく美味しいけど
柿になにかをかけて食べるって
したことなかった。

柿にシナモンと塩。
柿とシナモン、美味しいぞ。

薄くスライスして皮のまま
という紹介もあったけど
柿の皮は口当たりが良くないので
私は皮は剥いて。


上海人のパンさんによると
柿は飲み物、だそう。
熟しきるの待って
ヘタのところで切って
スプーンで“飲む”んだって。
ふむ。


もう終わったかなと思ったイチジクが
手に入った。
小ぶりだけど程よく熟して甘くて
美味しかった。
クリームチーズと。


この後リンゴも食べた。
リンゴも外れがなくなってきた。

ちなみにリンゴはかたいのが好き。
酸味は少なめで。


バナナは断固
若くて青臭いくらいでなくてはいけない。