2024年12月21日土曜日

清々しい部屋





「 清々 」という漢字を
「すがすが」と「せいせい」と
自然に読み分けてるんだよね、我々は。




表を張り替えられて帰ってきた
畳がとても清々しい。





前に畳に手を入れたのは15年前。
ここに同居することになって
父が畳を替えてくれた。
その時は、地元の畳屋さんに頼んで
畳床から手を入れてもらったんだったと思う。

15年経ってるからもしかしたら
表替えだけでは済まないかもなぁと思ったけど
業者さんに来てもらって見てもらったら
畳床は良いもの使ってるから
まだ持ちますよ、とのことだった。
そういえば、お父さんはシブチンだったけど
こういうことはケチらなかったっけな。


対して娘のほうは
なるべく安く上げようとしています。


畳表のイ草にもランクがあって
見本を持ってきてくれたんだけど
最初から
もうここには長くは住まないので、と相談し
普及品でお願いした。
イ草にも国産と中国産とがあって
国産のほうが香りがいいですとのことだったので
国産の畳表を頼んだ。
1,000円しか違わなかったし。

正直、期待はしてなかった。
ともかくうっすらした気配を一掃したかったから
表、引っぺがしてくれればそれでいい
くらいに思ってたし。



業者さんが帰って
6枚の畳を乾拭きしてたら
あ、ちゃんとイ草の匂いするねぇ、と気づいた。

時間が経つほど
すんとした青く枯れたイ草の匂いが強く立った。
二階から廊下に出て階段を下りながら匂う。



彼女がいる間
6畳間だけではなく家全体が
老いた人のいる家特有の匂いがしていて
それも、気持を沈ませてた。
もちろん、私の掃除が行き届いてないってのもあったけど。
廊下や台所や玄関をいくら掃いても拭いても
なんかもうこの家無理かもって悲しくなってた。

階下の部屋の家財一切合切処分して
この半月ずっと窓開け放して空気洗って
畳、襖を替えて
やっと、やっと、やっと。




畳、替えてもらって良かった。
階段を下りながら
廊下歩きながら台所に立ちながら
イ草の匂いを聞いている。

清々と、清々しい。







襖も薄く地模様は入っているけど
無地に近いもの。
本来は廊下側に張るもの。
室内側は引手帯模様くらい張ろうかとも思ったけど
なにもなくていい、なにもないほうがいいと思った。

清々した。




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