スイバ・スカンポ・ギシギシ
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図書館の文庫の棚に、橋本治の「蝶のゆくえ」を見かけた。
あ、そうだ。文庫版の自作解説を読もうと思って読んでなかった。
と思い出す。
棚から抜いて図書館のソファで解説ページを開く。
いや、橋本治の面目躍如よねぇ。ほんとに、ふるってる。
『蝶のゆくえ』の構造自体が、「Aによって観られるBと、Bを見ることによって現れるAの姿」合わせ鏡構造になっている…(中略)…そのように『蝶のゆくえ』の諸篇は、主人公を通して別の主人公へ至るという構造になっている。つまり、「普段はあまり意識されてはいない関係が浮かび上がる物語」でもある。
合わせ鏡。
そうだった、主人公Aの、Bへ向かう感情が、時空に呑み込まれるように歪んで、当の主人公の背中から刺さってくるような痛みのある話ばかりだったな、だったはずと思い、記憶をなぞるようになんとなく本編を読み始める。
はぁあああ。エグイ。ぱら読みだけで辛いわ。
前に読んだ時よりキツク感じるかも、と思い。
読んだのいつだっけ? DNの花風をたどる。
えええ?2019年5月18日??
そんな前だっけ?
コメントもらって、これは自作解説も読まなくちゃ、、、とか言ってから。あっというまに5年経ってるって。怖い。ビックリ。
橋本治が亡くなった時に、けっこうショックで「残りの人生は短い、うかうかしてられない」と思い、ちょっと焦ろうかなとか言ってたのに。これだよ。
いろんなことが怖すぎる。
変な汗出てきたわ。