本は読んでいたんです。
本を読んでいる時だけが良い意味で現実逃避の時間だったから。
10月の中頃は、手詰まり感が極まって
なのに自分のこと以外でやらなきゃいけないことが押し寄せて
家族がいるということ
なんなら父のことまで呪いたいような気持になったりしてた。
頭の中に煤がこびり付いたような気分で
図書館に駆け込んで在庫してた池澤夏樹をまとめて借り出した。
美しい言葉、透明な思惟だけを頭に入れたかった。
「きみが住む星」
「虹の彼方に」
「星に降る雪」
「異国の客」
題名だけで気持が鎮まる気がした。
助けられた。
「うつくしい列島」
これは諸々片がついてから引き続き読んでいた本。
自分の住む「日本列島」という土地について
ほんとうに何も知らないと思い知らされる静かな感動。
なかの一章「立山砂防 百年の計」は
なんかちょっとびっくりした。
砂防の意味も初めてちゃんと分かったし
立山連峰と格闘する日本人に動揺する。
いや闘いにはならなくて、圧倒的な山塊に
ただただ鎮まりたまえと祈るような事業を続けている。
終わりはない、完了することのない事業。
日本ってこういう国土なのだなと
知らなかったし自分の想像の域を超えてることに
愕然としてしまう。
「ヨン博士の航星日記」
中学か高校の頃に読んだSF。
10代の頃からシリアスな作風が好きだったので
こういう奇想天外なSFには手を出さなかったんだけど
なぜか気まぐれにこれを読んだらすごく面白くて。
ずっと記憶に残ってたんだけどタイトルも作者も忘れて探せなかった。
ネット時代の有難さで見つけ出せて
10代で読んだ版を借りて読んでみた。
「ソラリス」の作者、巨匠スタニスワフ・レムの作品でした。
早川から改訂版が出ていたんだけど
訳者も違うし昔ので読みたくて都立図書館から取り寄せてもらった。
本自体が“貴重な資料”ということで自宅へは持ち帰れなかったので
地元の図書館へ通って読んだ。
ちょっと面倒くさかったけど、おかげでちゃんと読めたかも。
こういう時間も家から逃げ出すための現実逃避。
まあまあ、まあ、面白かったかな?
10代で読んでおいて正解(笑)
このへんからSFを続けて読む。
「マーダーボット・ダイアリー」の2作目、3作目。
拗らせボットのモノローグですすむ話は
なんか安心して読めるのが良い。
えっと、ストーリーは既に忘れつつあるけど(笑)
4作目の新刊「システム・クラッシュ」が出たので予約入れた。
現実逃避したい気分が訪れた時用に取って置いてもいいかも(笑)
何年か前に話題になってた
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
写真は続巻のほうだけど、これとても良かった。
緊縮財政下のイギリスのブルーカラーの家庭で育つ
ジャパニーズ(イエロー)とアイリッシュ(ホワイト)の両親を持つ少年の
ときどきブルーだったりする日々。
ブレイディみかこのタフで繊細でロックな語り口が良い。
ほぼ日本の状況とリンクするんだけど
日本人にはパンクな精神やロケンローな矜持が欠けてるんだなと思ったりした。
ブレイディみかこ、続けて読んでいる。
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etc.
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