2025年1月30日木曜日

夜空の青

 




ステンドグラスを買った。


最初は「黄色い実」という
レモンをモチーフにしたステンドグラスを見かけて
衝動買いしそうになったんだけど
(檸檬トラップw)
結構いい値段してたので一拍置いて。


それに考えたら
光射す窓って、二階の私の部屋しかないんだよね。
一階に置いたらただの色ガラス。

それでも
どーしてもなにか欲しくって。
お値段十分の一のこれを買ってみた。


上の真ん中の硝子
夜に向かう空のような青が気に入ってる。






I SAW THE LIGHT.


2025年1月26日日曜日

本は読んでいた。

 



本は読んでいたんです。
本を読んでいる時だけが良い意味で現実逃避の時間だったから。

10月の中頃は、手詰まり感が極まって
なのに自分のこと以外でやらなきゃいけないことが押し寄せて
家族がいるということ
なんなら父のことまで呪いたいような気持になったりしてた。
頭の中に煤がこびり付いたような気分で
図書館に駆け込んで在庫してた池澤夏樹をまとめて借り出した。

美しい言葉、透明な思惟だけを頭に入れたかった。

「きみが住む星」
「虹の彼方に」
「星に降る雪」
「異国の客」

題名だけで気持が鎮まる気がした。
助けられた。




「うつくしい列島」
これは諸々片がついてから引き続き読んでいた本。
自分の住む「日本列島」という土地について
ほんとうに何も知らないと思い知らされる静かな感動。
なかの一章「立山砂防 百年の計」は
なんかちょっとびっくりした。
砂防の意味も初めてちゃんと分かったし
立山連峰と格闘する日本人に動揺する。
いや闘いにはならなくて、圧倒的な山塊に
ただただ鎮まりたまえと祈るような事業を続けている。
終わりはない、完了することのない事業。
日本ってこういう国土なのだなと
知らなかったし自分の想像の域を超えてることに
愕然としてしまう。






「ヨン博士の航星日記」
中学か高校の頃に読んだSF。
10代の頃からシリアスな作風が好きだったので
こういう奇想天外なSFには手を出さなかったんだけど
なぜか気まぐれにこれを読んだらすごく面白くて。
ずっと記憶に残ってたんだけどタイトルも作者も忘れて探せなかった。
ネット時代の有難さで見つけ出せて
10代で読んだ版を借りて読んでみた。
「ソラリス」の作者、巨匠スタニスワフ・レムの作品でした。

早川から改訂版が出ていたんだけど
訳者も違うし昔ので読みたくて都立図書館から取り寄せてもらった。
本自体が“貴重な資料”ということで自宅へは持ち帰れなかったので
地元の図書館へ通って読んだ。
ちょっと面倒くさかったけど、おかげでちゃんと読めたかも。
こういう時間も家から逃げ出すための現実逃避。

まあまあ、まあ、面白かったかな?
10代で読んでおいて正解(笑)

このへんからSFを続けて読む。
「マーダーボット・ダイアリー」の2作目、3作目。
拗らせボットのモノローグですすむ話は
なんか安心して読めるのが良い。
えっと、ストーリーは既に忘れつつあるけど(笑)
4作目の新刊「システム・クラッシュ」が出たので予約入れた。
現実逃避したい気分が訪れた時用に取って置いてもいいかも(笑)






何年か前に話題になってた
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
写真は続巻のほうだけど、これとても良かった。

緊縮財政下のイギリスのブルーカラーの家庭で育つ
ジャパニーズ(イエロー)とアイリッシュ(ホワイト)の両親を持つ少年の
ときどきブルーだったりする日々。
ブレイディみかこのタフで繊細でロックな語り口が良い。
ほぼ日本の状況とリンクするんだけど
日本人にはパンクな精神やロケンローな矜持が欠けてるんだなと思ったりした。
ブレイディみかこ、続けて読んでいる。













etc.



2025年1月19日日曜日

Mさんへの手紙

 

M 様


ご無沙汰しております。
お手紙ありがとうございます。

Hさんの施設入所の件、お知らせが遅くなってすみません。
いつお知らせしようか考えていたのですが、Hさん本人が直前まで友人も含め誰にも伝えていないようでしたので、入所して落ち着いてからお知らせしようと思っていました。
正直、私は入所準備に追われて余裕がありませんでした。

Hさんは、11月〇日に〇〇県〇〇市にある「〇〇〇〇」という老人施設に入所いたしました。


今年2月に左膝を悪くしてほぼ歩けなくなり、家の中で杖や手すりを使ってトイレに行くのがやっと、という状態でした。トイレに間に合わないこともあり紙パンツを使うようにしていましたが、8月ごろにはベッドから立ち上がるのもままならないくらいになりました。
トイレを汚すことも多くなっていました。
車イスがなくては家から出られない状態で、古い日本家屋の家から車イスの置いてある車庫まで出るのにも一苦労でした。

もちろん自分で車イスを動かすことなどできるひとではありませんし、リハビリや治療をして少しでも動けるようにしようとも考えもしないひとです。
一日座ったままご飯を食べてテレビを見て、トイレに行く。
それだけで半年過ごしました。

毎日お風呂に入らないと嫌だと言っていたひとが、億劫がって一週間も10日も入らないで過ごすようになりました。デイの入浴サービスも行きたくないというので入浴用車椅子を買ってみましたが入浴介助がこんなに大変なものとは思いませんでした。
トイレとお風呂、身体を清潔に保つことができなくなると、あっというまに暮らしが荒むんだとびっくりしました。

この先、良くなるとは到底思えず、以前よりの本人の希望もあり施設探しを始めました。私も、これ以上の同居は無理と思いました。

ケアマネと老人施設紹介所の方とでHさんの意向を確認してもらい私が5か所ほど見学に行きました。

Hさんが、Tさんの住む〇〇に近いところが良いというので、〇〇で2件ほど見学に行きましたが、彼女のリウマチを看られる施設ではなく断られました。

実際、Tさんの家の近くで見つかるわけもないですし、Tさんもご高齢で面会などそうそう来られるとは思えないのですが、従妹が近くにいるという安心感が欲しかったのかもしれません。
ご姉妹の住む〇〇や〇〇と言い出さなくて助かりました。

結局、金額面や介護の状態などの条件から、いまの〇〇の施設に決まりました。
「そんな遠いところ」とHさんは言いましたが、〇〇は電車乗り継いで2時間半くらいここからTさんの住む町までと同じくらいです。

年寄りひとりが施設に入所するのに、こんなにいろいろ手続きやらなんやらやることがあるのかと、驚き疲れましたが、どうにか入所に漕ぎつけました。

Hさんの施設入所にあたっては、私が「保証人」となっています。
なにかあれば私に連絡が来ますので、残念ながらこの後もご縁は切れません。
それでも、同居を解消できて正直ほっとしています。


Hさんが入所する施設はこちらになります。

〒000-0000
*******************

上記住所にH宛で荷物などは届きますが、ただ果物などふくめ生モノを個室内に置くことはできないとのことです。
遠く〇〇からお訪ねになることもないとは思いますが、面会される場合は保証人の私から前もってお名前などを施設に伝えて許可をもらってからとなります。施設内での面会時間も30分程度です。いまもまだコロナはじめ感染症が怖いので、面会や荷物送付はかなり制限されています。
施設に送った日も、熱を出した入所者がいて私は個室へは入れませんでした。

携帯電話は持って行ってはいますが、かなり耳が遠くなっており着信に気が付かないことが多いです。
また、自室以外では携帯の使用はできないので、デイサービスや食事で部屋を出ていると出られないかと思います。
着信画面の確認なども、気が回らないようです。

何十年もこの家から出たことがないのですから、Hさんにも不安不満はいろいろあるだろうとは思います。思いますが、もうこの家で暮らすことは彼女にも私にも無理なので、納得して過ごしてもらうしかありません。
「施設に行きたい」は何年も前から彼女が言っていたことです。
CMで見るような素敵な高級老人ホームではありませんが、部屋は十分な広さがありトイレとミニキッチン、収納もあり、なによりバリアフリーで介護スタッフが手を貸してくれるので安心して暮らせる環境です。


Mさんには、Hさんとの間に入って、私にもいろいろお気遣いいただきました。
愚痴やら憤りやら、あれこれ聞いていただきありがとうございました。
妹さんの立場からは、ご心配もあるかと思いますが、施設費用の管理などは保証人としてきちんと行いますのでご安心ください。


2024年11月〇日


追伸:
Hさんの娘さんふたりに、入所の件と住所をお知らせだけはしておきたいのですが連絡先をご存じでしょうか?
Hさんにたずねても、どこかにメモしてるはずだけど、というばかりで見つからないのでご存じでしたらお教えてくださると助かります。

2025年1月17日金曜日

回復するこころと辛辣な感情




いつかの散りモミジ。


 

年明けてモミジもすっかり葉を落として、いまは庭にふかふかの落ち葉の小道ができている。もう二、三日踏んで楽しんでから掃こう。

落葉樹の枝だけになった冬姿も好きだ。
せいせい、すがすが、すっきりとして。



かの人を施設に送ったあとも、12月は、ともかく気配を消し去りたくて後始末を急いだので落ち着かなかったけれど。
いまは、すっきりしてきた。すっきりと、平穏。

6月に心療内科に行った時には、心身の不調の原因はわかっていて、どうすれば良いかもわかっていて。そして、そうするしかないことをして、こうして、回復している。



 *


かの人について。

昨年の後半は、もう生理的に無理っていうくらいの嫌悪感で苦しかったけれど、元々は普通の庶民のおばちゃんだ。忌み嫌われるような鬼畜なひとではないんだよ。
無知で愚かだとは思うけれど。だから誰かに依存しないと生きてゆけない人で、父も、信頼してた友人たちも亡くなって寂しさと不安が老いを加速させたとは思う。
同じ屋根の下で小さく歪んでいた気持をリセットしたから思えることでもあるけど。

家人のほうが私よりも辛辣で、だから同居してた15年、家人と私とでかの人を話題にできなかった。
私は、母と呼んできた時間が長いし、父には良くしてくれてたところも見ているし、みんな元気で家族として上手くまわっていた時間も過ごしてるから、だから家人に容赦なく断罪されてしまうと、父のことも責められてるような気がしてしまって、いやいやそこまでは、、とブレーキかけたい感じになってたように思う。
いまは物理的距離も心理的距離も遠くなったので、心底どうでもいいひとになってしまった。


結局、曲がりなりにも家族として過ごせてた時が終わったのは、やっぱり5年前の件で。
もともとかの人に愛などなかったけれど、それでもなんの縁なのかここに暮らす3人で家族していこうと思ってた。でも、そういう気持もなくなる出来事だった。そっからの5年は結構苦しかったけど、それも98%片付いた。
2%は、保証人になっていることで。40年を過ごしてしまった縁が、流れてきた蜘蛛の糸くらいに残ってしまっているけれど仕方ない。愛は微塵もないけど、薄い縁が育てたなけなしの情かな。こういうのを柵(しがらみ)というんだろうな。

あ、書いてて段々嫌になってきたわ。

つくづくね、無知で愚かで寂しいひとが嫌いです。
私も相当辛辣ですかね。いいんだ。ここでだけだから。



2025年1月3日金曜日

レモン鏡餅




鏡餅は大きなレモン。






床花はシダ、カニクサ、千両。
今年は南天が実らなかったから
赤味がすこし足りない。




掛け軸はインド綿の布。

2025年のお正月の設え。




壁の古び具合がなかなかで。
畳や襖は簡単に替えられるけれど
壁は簡単には手を出せない。
土壁なので拭き掃除もできないし
ハタキをかけて
マキタのハンディ掃除機でホコリとって。



手持ちの布と庭の草木を飾って遊ぶ。

そんな正月。