2024年4月29日月曜日

「クララとお日さま」






クララの美質として語られる

観察と学習への意欲
鋭く物事を見通す目。


病弱な少女ジョジ―の
Artificial Friendとなったクララは
ジョジ―になにが最善かを考え
そのために全力を尽くす。


この物語の語り手はクララで
過多な感情を交えない淡々とした
AFならではの“機械的な”語り口と
ジョジ―や家族への誠実な態度と想いに
「日の名残り」の執事スティーブンスを
重ねて読んだ。


やっぱりカズオ・イシグロの作品には
品格がある。

抑制のきいた語り
心地良い熱量
静謐さ。

読み終わる頃には
何層にも重なった言葉の地層を滴り落ちながら
心が濾過されたような気持になる。




2024年4月27日土曜日

四月の終わり





遅咲きの八重桜も散ってしまった。


なんだかいろいろなことが
あっというま。



 

2024年4月12日金曜日

30/320




別冊 音楽と人


320ページある写真とインタビュー

そのうち
リアルタイムで私が知っているのは
最後の30ページだけ


わかってすごい喪失感が湧いたんだけど

喪失感って、なに?
失うもなにも
もともと彼の9割をシェアできてないのに、ね?





一年前までは
雑誌も本も音源も
見つけたら手あたり次第買って
一気に過去チバを読んで聴いて
楽しかったのだけど
いまは
なかなかページが進まない

後追いして
堪能して

そこからもどっていく未来がない

穴のあいた風船に
いくら息吹き込んでも
嬉しいが膨らまない





2024年4月6日土曜日

ヒメコブシ 2024




名残りの一輪




今年のヒメコブシは
咲き始めたころからとんでもない強風の日が続き
なぶられ続けて痛ましかったな。



3月入ってすぐにつぼみがほころび始めて
写真が20日頃か。

例年ならもっと密に咲いて
真っ白に見えるんだけど
咲いた先から風に吹かれ雨に打たれて
満開という時がなかった。




家の前の道はずっとこんなで。
こぶしの花びらは葉と違って掃きづらい。
雨が上がって道が乾いても
水を吸って茶色くなってアスファルトに貼りつく。



庭に落ちていても
質量ありすぎで“儚さ”には遠くて。

ともかく今年の春は
風が吹き荒れすぎた。
風速8とか、怖すぎです。
3月は気圧の乱高下で頭痛が酷かった。

春って案外荒れる天気だけど
もちょっと嫋やかな優しい日々ではなかったか?
日本の四季、なんだかこのごろ乱暴だよね。