植物だけが
太陽のエネルギーを直接とりこむことができる。
阿蘇の山をひとつ
醜いパネルで埋め尽くしてやっと
ソーラーエネルギーを
幾ばくかの電気に変えるのが精いっぱいの
人類なのに。
2023年7月29日、午後2時。
肌に受けたら痛みを感じるくらいの
実際、水脹れになりそうな
天から降りそそぐ火を
そのまま成長エネルギーにできる
植物って…。
*
7月の地球の平均気温が
12万年ぶりの高温を記録したと。
12万年?
10年ぶりの早い梅雨明けとか
30年に一度の降水量とかなら
まあ、なんとなくひとの時間スケールで
理解できるけど
12万年って。
気候の変化が
ひとのスケールを越えて
地球スケールの変動になってしまったって事?
地球の時間からしたら12万年なんて一瞬?
人類誕生から20万年だから
12万年前の酷暑は体験済みで
人類は生き抜いたんだって
良いほうに考えようかと思うけど
なんか全然そうは思えない。
シベリアの永久凍土の
4万年前の層から掘り出した
新種の線虫が
生きていて増殖もしている、とか。
地球の気温が上がって
溶けだした凍土から
いったいどんなものが解き放たれるのか。
北極の氷が溶けだし
海水温があがると
北極海から大西洋、太平洋の
海流の流れが滞り
海洋システムが変わってしまう、とか。
地球温暖化のはなし
前世紀の後半くらいから言われてたよね。
なんとなく遠い先のSFみたいに
聞いてた気がするけど
ひとが生きていけるような環境の
悪化が加速してるように見える。
いまは、エアコンをフル回転して
どうにか息潜めて過ごしてるけど
こんなちっぽけな科学で
あと何年凌げるんだろう。
生身のひとが対応できるスケールを
越えてしまってるよね。
そして
ほんとにがっかりなのはさ。
「プロジェクト・メアリー」で地球存亡の危機に
地球人として叡智を結集したような
国境超えたプロジェクトは
ぜーったい実現しないだろうことね。
ま、それを期待するほど純情じゃないけど。
戦争してるし、原発壊れっぱなしだし。
智慧もなにもありゃしない。
パンデミックにマスク
燃えさかる太陽にスダレ。
人類が手にした科学の果実がそれか。
今夜はソーメンにしよう。